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セキュリティ・弱点

院内のパソコンとホームページの管理を分けて考える:クリニックの安全な持ち方

公開 2026年10月28日 約5分で読めます

「空いているパソコンで、ホームページを更新してもらった」「ブラウザにパスワードが覚えさせてある」。院内の端末とホームページの管理が混ざっているというお話は、よく伺います。診療や事務で使うパソコンと、ホームページを管理する入口が混ざると、誰が入れるのか分からなくなり、退職や買い替えの時に情報が残りやすくなります。この記事では、難しい設定を使わずに、両者を切り分けて考えるための手順を、院長・事務長の方向けにまとめます。

なぜ、院内のパソコンとホームページの管理を分けて考えるのか

クリニックでは、受付のパソコン、診察室のパソコン、事務長の席のパソコンなど、院内に何台もの端末があります。その中の一台で、ホームページの管理画面に入っていることも珍しくありません。「とりあえず空いているパソコンで更新した」「ブラウザにパスワードを覚えさせてある」というお話は、よく伺います。

これ自体がすぐに問題になるわけではありません。ただ、診療や事務で使う端末と、ホームページの管理に使う端末が混ざっていると、次のような困りごとが起きやすくなります。

  • 誰がどの端末でホームページに入れるのかが、院内で分からなくなる
  • スタッフが退職しても、その人が使っていた端末にパスワードが残る
  • 共有のパソコンに管理画面のパスワードが保存され、他の人も入れてしまう
  • 一台のパソコンに不具合が起きた時、ホームページの管理にも影響が及ぶ

そこで、院内のパソコンの管理と、ホームページの管理をいったん切り分けて考えることをおすすめします。難しい設定の話ではなく、「誰が、どの端末から、どこまでできるか」を決める、という整理の話です。

まず、院内のどこにホームページの入口があるかを洗い出す

分けて考える前に、現状を知る必要があります。ホームページの管理につながる入口は、意外といくつもあります。次の表で、院内に当てはまるものを確かめてみてください。

入口よくある状態確かめたいこと
管理画面(WordPressなど)更新を担当する人のパソコンから入る入れる人と端末の一覧があるか
サーバーの管理画面契約時の担当者のメールで登録しているログインの連絡先が今も使えるか
ドメインの管理画面制作会社名義のままのことがある名義と連絡先を院内で把握しているか
ホームページ用のメール受付のパソコンに設定してある退職者の設定が残っていないか
パスワードのメモ付箋・共有ファイル・ブラウザの保存保管場所が一か所に決まっているか

洗い出しの結果、「分からない」が出てきたら、それが最初に整えるところです。パスワードの持ち方については、ホームページのパスワード管理:院内で誰が持っておくべきかも参考になります。

院内パソコンと管理を分ける、4つの考え方

次の図は、考え方を4つにまとめたものです。順番に、院内の状況へ当てはめていきます。

院内のパソコンとホームページの管理を分ける考え方の図です。院内のパソコンは診療や事務で使い、ホームページ用のパスワードや道具は入れません。管理画面に入る端末は決めて台数を絞ります。入る人には一人ずつ別のIDを渡し、退職時に止められるようにします。最後に、誰がいつ入ったかの記録を年に数回、院内で見直します。
院内パソコンとホームページ管理の分け方
  1. 院内の端末には、管理用の情報を置かない受付や診察室など、多くの人が触れるパソコンには、ホームページの管理画面のパスワードを保存しない運用にします。ブラウザの「パスワードを保存しますか?」にも、共有端末では「保存しない」を選びます。
  2. 管理画面に入る端末を決める更新を担当する人が使う端末を、1〜2台に決めます。台数が少ないほど、見直しや退職時の対応が楽になります。
  3. 人ごとにIDを分ける一つのIDを数人で使い回すと、誰が何をしたかが分からなくなります。入る人ごとにIDを作り、権限も必要な範囲にとどめます。詳しくはホームページの管理画面に入れる人を見直すチェックリストをご覧ください。
  4. 記録を残し、年に数回見直す入れる人・端末・パスワードの保管場所を一枚の表にして、年に数回、院内で読み返します。人の入れ替わりがあった時にも見直します。

ポイント

「分ける」といっても、新しい機器を買う必要はありません。今ある端末のうち、どれを管理用にするかを決めることが最初の一歩です。

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端末とパスワードを守るための、日々の習慣

分け方を決めたら、次は日々の使い方です。専門的な対策よりも、院内で続けやすい習慣のほうが効果を発揮します。

  • パソコンを離れる時は画面をロックする(受付・診察室とも)
  • OSやブラウザの更新通知を放置せず、決めた担当者が定期的に更新する
  • メールの添付ファイルや不審なリンクを開かない(スタッフ全員に共有する)
  • 管理画面には二段階認証を設定する。詳しくは二段階認証とは?ホームページの管理画面を守るいちばん手軽な方法を参照
  • 管理用の端末で、ホームページと関係のないソフトを増やさない

院内のパソコン全体の安全は、厚生労働省が公表している医療機関向けのサイバーセキュリティの考え方も参考になります。ホームページとの関わりは、医療機関のサイバーセキュリティ対策とホームページ:院長が押さえたい基本でまとめています。

なお、院内のシステム全体(電子カルテなど)の対策は、それぞれの事業者や専門家にご確認ください。この記事はホームページの管理に関する部分に絞っています。

人が替わる時に、いちばん事故が起きやすい

管理の分け方が崩れやすいのは、スタッフの入れ替わりの時です。退職した人が使っていた端末に管理画面の情報が残っていたり、IDが共有のまま引き継がれたりします。

場面やっておきたいこと
スタッフが退職するその人のIDを停止し、共有のパスワードがあれば変更する
端末を買い替える・処分する保存されたパスワードを消し、管理画面からログアウトする
新しく担当になる人が決まった新しいIDを発行し、管理用の端末に加える
制作会社や保守会社が替わる相手方のID・権限を整理し、引き継ぎ内容を記録する

退職時の具体的な手順は、スタッフが退職した時に、ホームページ側でやっておくことにまとめています。あらかじめ手順を決めておくと、慌てずに済みます。

院内だけで迷う時は、外の目を入れる

「どの端末から入れるのか分からない」「パスワードがどこにあるか分からない」という状態が見つかった場合、無理に院内だけで解決しようとしなくて大丈夫です。制作会社や保守会社に、管理画面の入り口と権限の一覧を出してもらうのが近道です。

HPドクターでは、無料の自動診断で、ホームページの外から見える範囲の状態を確かめられます。また、管理の持ち方や権限の整理についての相談は、専門家による無料のセカンドオピニオンで承っています。今の制作会社との契約はそのままで構いません。

  • 入れる人・端末・保管場所の表を、一緒に作る
  • 退職者のIDや不要な権限が残っていないか確かめる
  • 院内で続けやすい見直しの頻度を決める

ホームページにも、セカンドオピニオンを

今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。

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よくあるご質問

管理用に専用のパソコンを買う必要がありますか?

必須ではありません。今ある端末のうち、管理に使うものを1〜2台に決め、他の端末にはパスワードを保存しない運用から始めれば十分です。

ブラウザのパスワード保存は使ってはいけませんか?

院長や担当者だけが使う端末であれば便利ですが、受付など共有の端末では保存しない運用をおすすめします。迷う場合は、保守会社にご相談ください。

スタッフが少ないので、IDを共有してもよいですか?

少人数でも、人ごとにIDを分けるほうが安心です。誰が作業したかが分かり、退職時にその人の分だけ止められるためです。

院内のパソコン全体のセキュリティは、この記事で足りますか?

この記事はホームページの管理に関する部分に絞っています。電子カルテなど院内システム全体の対策は、それぞれの事業者や専門家にご確認ください。

分け方の見直しは、どのくらいの頻度でするとよいですか?

年に数回に加え、スタッフの入れ替えや、制作会社・保守会社が替わった時に見直すのがおすすめです。

この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。