更新・保守
ホームページのパスワード管理:院内で誰が持っておくべきか
ホームページの管理画面のパスワードを、今すぐ言えますか。制作会社に任せたままで、院には誰も持っていない。あるいは、退職した職員だけが知っていた。そんな状態は、トラブルが起きた時に動けなくなる原因になります。この記事では、クリニックのホームページに関わるパスワードの種類、院内で誰が持つとよいか、安全に控える方法と、担当者が替わる時の備えを、順を追ってご説明します。
ホームページには、パスワードが複数ある
「ホームページのパスワード」と一口に言っても、実際には役割の違うものが複数あります。どれが誰の手元にあるかを知らないと、いざという時にどこへ入ればよいか分からなくなります。
| 種類 | 何のためのものか | 困る場面 |
|---|---|---|
| ホームページの管理画面 | お知らせや診療時間を書き換える入口 | 休診のお知らせをすぐ出したい時に入れない |
| レンタルサーバーの管理画面 | ホームページのデータを置いている場所の管理。PHPのバージョン変更もここ | 不具合の時に設定を確認できない |
| ドメインの管理画面 | ホームページの住所(ドメイン)の更新や名義の管理 | 更新を忘れて表示されなくなる |
| メールの管理画面 | 院のメールアドレスの追加や変更 | 職員の入れ替え時にアドレスを変えられない |
| アクセス解析・地図サービスなどのアカウント | 来院経路や地図の表示の管理 | 営業時間の変更を反映できない |
このうち特に大切なのは、ドメインとサーバーです。ここは失うとホームページ全体に影響します。ドメインの名義について詳しくは、ドメインの名義を確認する方法をご覧ください。
誰が持つのがよいか:院長と、もう1人
パスワードは、持つ人が増えるほど漏れるおそれが高まります。一方で、一人しか知らないと、その人が不在や退職になった時に困ります。バランスの目安として、次の考え方をおすすめします。
- 院長が必ず把握しておく:ドメインとサーバーの管理画面。契約者が院長なら、院長の名義で登録しておく
- 事務長など責任者がもう1人把握:院長が不在でも対応できるようにする
- 日常の更新担当は管理画面のみ:お知らせを書き換える職員には、ホームページの管理画面だけを渡す。サーバーやドメインのパスワードまでは渡さない
- 制作会社・保守会社には、必要な範囲で渡す:作業が終わったら、パスワードを変更する
「個人のアドレス」で登録しない
ドメインやサーバーの登録に使うメールアドレスは、院の共有アドレスにしておきましょう。担当者個人のアドレスだと、その人が退職した時に、パスワードの再設定メールが届かなくなります。
パスワードの再設定に必要なのは、登録しているメールアドレスです。パスワードそのものより、登録アドレスを院が握っているかのほうが、実は重要だと言えます。
安全な控え方:台帳をつくる手順
パスワードを付箋やメールの本文に残すのは避けたい方法です。かといって、頭の中だけで覚えるのも現実的ではありません。次の手順で「院の台帳」をつくっておくと、安全と便利を両立できます。
- 一覧表をつくる上の表の項目ごとに「サービス名」「ログイン用のアドレス(ID)」「契約者(誰の名義か)」「更新日」を書き出します。この時点では、パスワードそのものは書きません。
- パスワードの保管場所を決めるパスワード管理用のサービスや、鍵のかかる場所に保管した書面など、院が管理できる場所を決めます。個人のスマートフォンのメモだけに置かないようにします。
- 持つ人を決める院長と責任者の2人を決め、他の職員が見られない場所に置きます。
- 初期のパスワードを変更する制作会社から納品された時の、初期のまま使っているパスワードは、早めに変更します。変更したら台帳の保管場所も更新します。
- 年に1回見直す決算期や新年度など、決まった時期に台帳を開き、担当者の変更やパスワードの変更漏れがないかを確かめます。
パスワードの強さも大切です。他のサービスと同じものを使い回さない、長めの文字列にする、という2点を守るだけでも、安全性は大きく変わります。
あなたのクリニックのホームページは大丈夫?
アドレスを入れるだけで、ニュースになった弱点に当てはまりそうか・鍵マークは大丈夫かなどを約10秒で自動診断します。
担当者が替わる時、退職する時にすること
パスワードの事故が起きやすいのは、人が替わるタイミングです。退職した職員が、まだ管理画面に入れる状態のまま放置されている例は、よく伺うお話です。次のチェックリストを、人の入れ替えのたびに使ってください。
- 退職する職員が使っていたホームページの管理画面のアカウントを、停止または削除する
- 共有しているパスワードがあれば、変更する
- 院の共有アドレスの受信設定が、後任にも引き継がれているか確認する
- 制作会社・保守会社の窓口担当が替わった時も、連絡先と、渡しているパスワードの範囲を見直す
- 契約者の名義が、退職した人の個人名になっていないか確認する
パスワードをメールやチャットで送らない
制作会社や職員にパスワードを伝える時は、メールの本文に書くのは避け、電話で伝える、別々の経路に分けるなど、第三者に見られにくい方法を選んでください。
管理画面のセキュリティ対策を全体として見直したい場合は、クリニックのホームページ セキュリティチェックリストも参考になります。
「誰が持っているか分からない」時の進め方
すでにパスワードが分からなくなっている場合も、慌てる必要はありません。多くのサービスには、登録したメールアドレス宛にパスワードを再設定する仕組みがあります。次の順で、院が主導権を取り戻していきましょう。
- 契約書や請求書から、サービス名と契約者を調べるサーバーやドメインの請求書があれば、サービス名と契約者が分かります。
- 登録メールアドレスを確かめる分からない場合は、制作会社に問い合わせます。院のアドレスでない場合は、今のうちに院の共有アドレスへの変更を相談します。
- 再設定の手続きをする、または制作会社に引き渡しを依頼する名義が院でない場合は、名義の変更手続きを制作会社に相談します。
制作会社と連絡がつかない、名義が不明、という状況の場合は、第三者の専門家に状態を見てもらうのも一つの方法です。HPドクターでは、今の制作会社との契約はそのままで、無料の自動診断と、専門家による無料セカンドオピニオンをご用意しています。
ホームページにも、セカンドオピニオンを
今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。
無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
パスワードは院長だけが知っていればよいですか。
院長だけだと、不在時や急な体調不良の時に対応できません。院長と、もう1人の責任者の2人が把握している状態をおすすめします。
パスワードを紙に書いて保管してもよいですか。
鍵のかかる場所で、決まった人だけが見られる状態なら、一つの方法です。机の上に貼る、メールに書く、といった第三者の目に触れる形は避けてください。
制作会社に渡したパスワードは、そのままでよいですか。
作業が終わったら変更するのが安心です。継続して保守を任せている場合も、担当者が替わった時には見直しましょう。
パスワードはどのくらいの頻度で変えるべきですか。
定期的に変えることよりも、使い回さないこと、長めにすること、人の入れ替え時に変えることが大切です。不審なログインに気づいた時は、すぐに変更してください。
管理画面にパスワードを忘れて入れない時は、どうすればよいですか。
登録メールアドレス宛の再設定を試します。うまくいかない場合の考え方は、WordPressの管理画面に入れなくなった時の対処法で説明しています。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する株式会社Canvi「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


