トラブル対処
「危険なサイト」とGoogleで表示された時の原因と解除の流れ
患者さんから「先生のところのホームページを開いたら、赤い画面で危ないと出ました」と言われて、初めて気づいた。そんなご相談をよく伺います。Googleの警告は、ホームページに何らかの異常が見つかった時に、見に来た人を守るために出るものです。表示が出たこと自体は落ち着いて受け止めて大丈夫です。この記事では、警告が出る主な原因と、確認の順番、解除してもらうまでの流れを、専門用語をかみくだいてご説明します。
「危険なサイト」の表示とは何か
Googleは、世界中のホームページを自動で見回り、見に来た人に害を与えそうなページを見つけると、そのページを開こうとした人に警告を出しています。パソコンやスマートフォンで開いた時に画面全体が赤くなり「この先のサイトは危険です」といった文章が出るのが代表的な形です。検索結果の下に「このサイトはハッキングされている可能性があります」といった一文が添えられることもあります。
たとえるなら、保健所の立ち入りで問題が見つかり、入口に「確認中」の張り紙が貼られたような状態です。張り紙は、中にいる人を責めるためではなく、来訪者を守るためのもの。原因を取り除いて「直しました」と申し出れば、確認のうえで外してもらえます。
表示の文言は、ブラウザ(ホームページを見るためのアプリ。ChromeやSafariなど)や時期によって少しずつ違います。大切なのは文言の細かな違いではなく、Googleが自分のホームページに何かを見つけたという事実です。
院長ご自身のパソコンだけの問題ではありません
この警告は、Googleが持っている一覧に基づいて出ています。院内のパソコンのウイルス対策ソフトとは別の仕組みなので、院長のパソコンを入れ替えても消えません。原因はホームページの側にあると考えて進めます。
警告が出る主な原因
クリニックのホームページで警告が出る場合、多くは第三者に中身を書き換えられている(改ざん)ことが原因です。院長が見ている画面では何も変わっていないのに、裏側に不正なプログラムが埋め込まれていたり、見知らぬページが大量に追加されていたりします。主な原因を表にまとめました。
| 原因 | どういう状態か |
|---|---|
| 不正なプログラムの埋め込み | ページを開いた人を、別の怪しいサイトへ自動で連れて行く仕掛けが入れられている |
| 偽ページの追加 | ホームページの中に、銀行やショッピングサイトをまねた偽のページを勝手に作られている |
| 怪しいファイルの設置 | ダウンロードさせようとするファイルがサーバー(ホームページの置き場所)に置かれている |
| 外部から読み込む部品の汚染 | ページに組み込んでいる外部の部品が乗っ取られ、そこ経由で不正な動きが起きている |
では、なぜ書き換えられてしまうのか。よくあるのは、ホームページを動かしている土台のソフトが古いままになっているケースです。WordPress(ホームページを更新するための仕組み)や、その追加機能であるプラグイン、さらにその下で動くPHP(ホームページを動かすためのプログラムの言語)に弱点が見つかり、修正されないまま放置されていると、そこを入口にされます。
最近の例では、2026年10月20日にPHPの開発チームが深刻な弱点2件の修正を予告し、10月21日にはIPA(情報処理推進機構)の注意喚起も出ました。弱点はWordPressではなくPHP本体にあるため、WordPressを新しくしていてもPHPが古ければ対象になり得ます。詳しくは2026年10月のPHPの脆弱性についての記事をご覧ください。
このほか、管理画面のパスワードが推測されやすいものだった、退職した職員や昔の制作担当者のアカウントが残っていた、といった「鍵の管理」の問題が入口になることもあります。
表示に気づいたら、まずやること(確認の順番)
警告に気づいた時は、慌てて自分でファイルを消したり、管理画面をあちこち触ったりしないことが大切です。原因の手がかりが消えてしまい、かえって復旧に時間がかかることがあります。次の順番で進めてください。
- 画面を記録する警告の画面と、検索結果の表示をスマートフォンで撮影しておきます。いつ、どの端末で、どのページを開いた時に出たかもメモします。
- 管理を任せている相手に連絡する制作会社や保守会社がいれば、撮影した画面を添えて連絡します。誰にも任せていない場合は、ホームページを置いているレンタルサーバーの会社のサポート窓口が相談先になります。
- 管理画面のパスワードを変えるWordPressの管理画面、レンタルサーバーの管理画面、ファイルを出し入れするためのアカウントのパスワードを変更します。使い回しているパスワードがあれば、それも変えます。
- 院内で情報をそろえる受付スタッフに状況を共有し、患者さんから問い合わせがあった時の答え方を決めておきます(後の見出しで文例をご紹介します)。
- 原因の調査と修正を依頼する書き換えられた箇所の特定、不正なファイルの除去、入口になった弱点(古いPHPやプラグインなど)の更新までを、専門の担当者に進めてもらいます。
警告が出る前の段階でも、外から見える範囲の状態はある程度確かめられます。ホームページのアドレスを入れるだけで、PHPの古さや鍵マークの状態などを確認できる無料の自動診断もご活用ください。
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警告を解除してもらうまでの流れ
原因を取り除いても、警告はすぐには消えません。Googleに「直しました」と伝えて、改めて確認してもらう手続きが必要です。この手続きには、Google サーチコンソールという無料の管理ツールを使います。ホームページの持ち主であることを登録しておくと、Googleからのお知らせを受け取ったり、確認を依頼したりできる「Googleとの連絡窓口」のようなものです。
- サーチコンソールに登録されているか確かめる制作会社が登録していることが多いので、まずは登録の有無と、誰のアカウントで登録されているかを確認します。未登録なら、ホームページの持ち主として登録します。
- 「セキュリティの問題」を確認するサーチコンソールの中に、Googleが見つけた問題の一覧が出る画面があります。どのページで、どんな種類の問題が見つかったかがここで分かります。
- すべての問題を修正する一覧に出ているページだけでなく、同じ原因で書き換えられている箇所がないかも含めて直します。一部だけ直して申請すると、確認で再び問題が見つかることがあります。
- 審査(再確認)を依頼する修正した内容を簡潔に書いて、確認を依頼します。何をしたかを具体的に書くと伝わりやすくなります。
- 結果を待ち、表示の消え方を確認する確認が終わると、サーチコンソールに結果が届きます。問題なしと判断されれば、警告は順次表示されなくなります。かかる期間は状況によって変わります。
サーチコンソールの持ち主を確かめておきましょう
制作会社の担当者個人のアカウントだけで登録されていると、その会社と連絡が取れなくなった時に手続きができません。クリニックのメールアドレスでも登録しておくと安心です。制作会社と連絡がつかない時の進め方は、制作会社と連絡が取れない時の対処法でご紹介しています。
患者さんへの伝え方と院内の対応
警告が出ている間は、患者さんが診療時間やアクセスを調べられなかったり、不安に感じたりします。受付で答え方をそろえておくと、問い合わせへの対応が落ち着いたものになります。
- 電話での答え方の例:「ご心配をおかけしております。ただいまホームページを点検しております。診療時間は〇時から〇時です。」
- 診療時間・休診日・地図は、Googleマップのクリニック情報(Googleビジネスプロフィール)でも確認していただけるよう、内容を正しく整えておく
- 患者さんに「その画面を開いてしまったが大丈夫か」と聞かれたら、無理に答えを断定せず、お使いの端末のウイルス対策を確認していただくようお伝えする
- Web予約を使っている場合は、予約ページへのリンクがホームページ経由になっていないか確認し、電話予約の案内も添える
ホームページに患者さんの個人情報を扱う問い合わせフォームがある場合は、そのフォームが悪用されていないかも確認の対象になります。気をつけたい点は問い合わせ・予約フォームの個人情報についての記事にまとめています。
同じことを繰り返さないために
警告が解除されても、入口になった弱点が残っていれば、また書き換えられるおそれがあります。解除はゴールではなく、ふだんの手入れを見直すきっかけと考えてください。
- PHP・WordPress・プラグインを定期的に更新する担当を決める
- 使っていないプラグインや古いアカウントを整理する
- 管理画面のパスワードを、推測されにくいものにして使い回さない
- バックアップ(ホームページの控え)を定期的に取り、戻せることを確かめておく
- サーチコンソールのお知らせが届くメールアドレスを、院内で見られるものにしておく
- 鍵マーク(通信の暗号化)の証明書の期限を把握しておく
「何をどこまでやればいいのか分からない」「今の制作会社にどう頼めばいいのか迷う」という場合は、HPドクターの専門家による無料セカンドオピニオンをご利用ください。今の制作会社との契約はそのままで、現状の見立てと、優先して手を入れる順番をお伝えします。保守をお任せいただく場合は月額10,000円〜30,000円(税別)、初期費用0円で、緊急時は24時間受け付けています。
ホームページにも、セカンドオピニオンを
今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。
無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
警告が出ている間、ホームページを止めたほうがいいですか?
患者さんを守る意味で一時的に公開を止める判断もありますが、止めると診療時間なども見られなくなります。まずは管理を任せている相手や専門家に相談し、状況に応じて決めるのがおすすめです。
自分で不正なファイルを消せば解決しますか?
見えている部分だけを消しても、入口になった弱点や、別の場所に隠された仕掛けが残っていることがあります。原因の特定と弱点の修正までを一緒に行うことが大切です。
解除の申請をしてから、どのくらいで警告は消えますか?
Googleの確認にかかる期間は状況によって異なります。修正が不十分だと再申請が必要になるため、申請前に問題が残っていないかを丁寧に確かめることが、結果的に近道になります。
サーチコンソールに登録していない場合はどうすればいいですか?
ホームページの持ち主として新たに登録できます。ドメイン(ホームページの住所)やサーバーの設定に触れる手順があるため、管理を任せている相手か、専門家に手伝ってもらうと確実です。
警告が出る前に気づく方法はありますか?
サーチコンソールのお知らせを受け取れるようにしておくこと、PHPやWordPressを定期的に更新することが基本です。外から見える範囲の状態は、HPドクターの無料の自動診断でも確認できます。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する株式会社Canvi「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。

