更新・保守
ホームページの「更新履歴」を残しておく理由と方法
診療時間を変えた、お知らせを出した、写真を差し替えた。ホームページは小さな修正を重ねていくうちに、「いつ、誰が、何を直したのか」が分からなくなりがちです。ある日ページの表示が崩れた時、直近の変更が分かれば原因を探しやすくなりますが、記録がないと手探りになります。この記事では、更新履歴を残しておく理由と、残す項目、院内で無理なく続ける方法を、院長・事務長の方向けにまとめます。
更新履歴とは?なぜ残しておくとよいのか
更新履歴とは、ホームページを直した記録のことです。難しいものではなく、「何月何日に、誰が、どこを、どう直した」を書き留めたメモのようなものと考えてください。
残しておくと、次のような場面で助けになります。
- 表示が崩れた時:直近の変更が分かり、原因を探す範囲を狭められる
- 担当者が代わった時:前任者が何をしていたかを引き継げる
- 制作会社や保守会社に相談する時:状況を正確に伝えられる
- 内容の確認が必要になった時:いつ・どの表現に直したかを後から確かめられる
- 不審な変更に気づく時:覚えのない変更があれば、早く気づける
特に最後の点は、セキュリティの面でも大切です。誰も直していないはずのページが書き換わっていたら、異変のサインかもしれません。確認の観点は乗っ取りのサインの確認方法も参考にしてください。
何を残せばよいのか:5つの項目
記録は細かすぎると続きません。次の5つを、1回の更新につき1行で残す形が、現実的です。
| 項目 | 書く内容の例 | 残す理由 |
|---|---|---|
| 日付 | 10月24日 | 不具合が出た日と照らし合わせられる |
| 担当者 | 受付 〇〇(または制作会社) | 内容を聞ける相手が分かる |
| 直した場所 | トップページの診療時間 | 影響の範囲が分かる |
| 内容と理由 | 年末年始の休診日を追加 | 何のために直したかが分かる |
| 確認と控え | スマホで確認済み/控えは共有フォルダ | 元に戻す時の手がかりになる |
ポイント
氏名やパスワードそのものは、履歴に書かないでください。管理画面のIDやパスワードは別の場所で厳重に管理し、履歴には「誰が直したか」だけを残します。
無理なく続ける、記録の方法
記録の道具は、院内で使い慣れているもので十分です。大切なのは、直すたびに書く習慣をつくることです。
| 方法 | 向いているケース | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 共有のスプレッドシート | 複数の職員で更新する | 編集できる人を限る |
| 紙のノート・台帳 | パソコンが苦手な方が多い | 置き場所を決め、写真を撮って控える |
| 業務で使う連絡ツール | 更新時の連絡と記録を兼ねたい | 流れてしまうので、月に一度まとめる |
| 保守会社の作業報告 | 保守を任せている | 院内での修正分は別に記録する |
保守会社に任せている場合は、報告書の中に更新の記録が含まれていることもあります。その場合でも、院内で直した分は含まれないため、院内の分は院内で記録すると、全体像がつかめます。月次の報告に何を載せてもらうとよいかは、保守の頼み方の記事でも触れています。
記録を保管する時は、見られる人を限ることも忘れないでください。履歴には、どのページをいつ直したかという情報が並びます。院外の人に自由に見られる場所ではなく、院内の職員と、保守を任せている会社だけが見られる場所に置くと安心です。
また、直す前の状態の控えを取っておくことも大切です。控えの取り方はバックアップの取り方をご覧ください。
更新の流れの中に、記録を組み込む
記録を忘れないためには、更新の手順の中に記録を入れてしまうのが有効です。次の流れを、院内の更新担当者の共通ルールにしておくと続けやすくなります。
- 直す内容を決める誰が見ても分かるよう、直す内容を一言で書き出します。診療時間や休診日は、院内で確認を取ってから直します。
- 直す前に控えを取る直す前のページの写真(画面の保存)や、元の文章を残します。大きな変更の前は、サイト全体の控えがあるかも確かめます。
- 直す指示された範囲だけを直します。ほかの場所は触りません。
- スマホで確認する表示、電話番号、リンクが正しく動くかを、スマホで確かめます。
- 履歴に1行書く日付、担当者、直した場所、内容と理由、確認の結果を記録します。
この5ステップを守れば、記録と確認の両方が自然に残ります。自分で直す際の注意点は自分で直す時の注意点にまとめています。
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よくある失敗と、その対策
更新履歴は、始めても途中で止まってしまうことが少なくありません。よくある失敗と、その対策を挙げます。
| よくある失敗 | 起きる理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 書くのを忘れる | 直したあとの手順に入っていない | 更新の手順の最後に「履歴を書く」を入れる |
| 詳しく書きすぎて続かない | 記録に手間がかかる | 1回の更新につき1行までと決める |
| 人によって書き方が違う | 項目が決まっていない | 5つの項目の見本を、最初のページに載せておく |
| 誰も見返さない | 見返す日が決まっていない | 月に一度、確認の日を決める |
| 保管場所が分からなくなる | 担当者が代わった | 置き場所を、院内の手順書に書いておく |
特に、担当者が代わった時に引き継げるかが、履歴の価値を左右します。記録の置き場所と、書き方の見本を、引き継ぎ資料に入れておいてください。
また、履歴は「間違いを責めるためのもの」ではありません。直した人が気軽に書けるよう、「誰かの落ち度を探すものではなく、原因を早く見つけるためのもの」と、院内で共有しておくことをおすすめします。
履歴に残した内容が、診療時間や休診日など、患者さんが頼りにする情報の場合は、直したあとの確認を丁寧に行ってください。医療広告として載せている表現を直す場合は、厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿っているか、迷う表現は所管の保健所等にご確認ください。
見直しと、困った時の相談先
履歴は、書いて終わりではなく、月に一度ほど見返すと役に立ちます。見返す時は、次の点を確かめてください。
- 覚えのない変更が入っていないか
- 直したままになっている古い情報がないか
- 同じ場所を何度も直していないか(仕組みの問題のサインのことがあります)
- 記録が途切れていないか
もし、履歴を見て覚えのない変更に気づいた場合や、直したあとにページが崩れて原因が分からない場合は、慌てて自分で触り続けず、制作会社や保守会社に状況を伝えて相談してください。履歴があれば、状況をそのまま共有できます。
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更新履歴は、いつから残せばよいですか?
今日からで大丈夫です。過去の分を思い出して書く必要はありません。次に直す時から、1行ずつ残していきましょう。
制作会社が直した分も、自分たちで記録すべきですか?
制作会社から作業の報告があれば、それを保管しておけば十分です。報告がない場合は、依頼した日と内容を院内で控えておくと、後で確認できます。
記録を書く人が決まっていません。
ホームページを直した人が、その場で書くのが基本です。ただし、書き忘れを防ぐため、事務長など院内の1名を「履歴の確認担当」にして、月に一度見返すと続けやすくなります。
紙のノートでも問題ありませんか?
問題ありません。続けられることが一番大切です。ただし、紛失や記入漏れが起きやすいので、置き場所を決めておき、定期的に写真で控えを取ると安心です。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


