セキュリティ・弱点
ホームページのバックアップを「戻す練習」しておく理由:取るだけでは安心できない
「バックアップは取っていますか」と聞かれて、「制作会社が取っているはずです」とお答えになる院長は少なくありません。ところが、いざ表示が崩れた時に、どこにあるのか、どの日付に戻せるのか、誰が戻すのかが分からず、時間がかかってしまうことがあります。バックアップは、取ることと同じくらい、戻せることが大切です。この記事では、戻す練習をしておく理由と、院内でできる確認の手順をまとめます。
「取ってある」と「戻せる」は別のこと
バックアップとは、ホームページの内容(文章や写真、設定)を別の場所にコピーして保管しておくことです。万一、表示が壊れたり、書き換えられたりした時に、元の状態へ戻すために使います。基本の考え方はバックアップの取り方でまとめています。
ただ、取ってあるだけでは、次のような場面で困ることがあります。
- 保管してあるのが、同じサーバーの中だけで、サーバーごと壊れた時に使えない
- 最新のコピーが何か月も前で、直近の診療時間やお知らせが反映されていない
- 戻し方を知っているのが制作会社の特定の担当者だけで、連絡がつかない
- 戻す作業で、かえって今の内容が消えてしまうおそれがあり、誰も踏み切れない
どれも、「取る」こと自体はできているのに、「戻す」段取りが決まっていないために起きることです。だからこそ、平時に確認と練習をしておく意味があります。
院内で確認したい4つのこと
専門の作業は制作会社や保守会社の領域です。院内では、次の4つを「聞いて、答えをもらう」だけで、状況がかなり見えてきます。
| 確認すること | 聞き方の例 | 望ましい答えの形 |
|---|---|---|
| どこに保管しているか | 「バックアップは、どこに置いていますか」 | ホームページとは別の場所にも置いている |
| いつの分まで戻せるか | 「何日前まで、さかのぼれますか」 | 直近の日付と、複数の世代がある |
| 誰が、どのくらいで戻すか | 「戻す作業は、誰が、どのくらいの時間で行いますか」 | 担当と連絡先、目安の時間が決まっている |
| 戻した結果を、どう確認するか | 「戻したあと、どこを見て正常と判断しますか」 | 確認の項目が決まっている |
答えが「たぶん大丈夫です」「確認しておきます」のように曖昧な場合は、その場で文面(メール)にまとめてもらってください。契約書に書かれているかどうかは、保守契約書の確認項目で見られます。
戻す練習の進め方:本番を壊さない方法
「練習」といっても、本物のホームページを壊す必要はありません。多くの場合は、次のような安全な方法で行います。制作会社や保守会社が対応する作業ですので、依頼する形で進めてください。
- 練習の目的を伝える「戻せることを確認したい。本番の表示には影響しない形で試したい」と制作会社に伝えます。
- 試す場所を決める本番とは別の場所(テスト用の場所)に、バックアップから復元してもらいます。そこでなら、失敗しても患者さんの目には触れません。
- 日付を選んで戻してもらう直近の分と、少し前の分の2つを選び、それぞれ復元できるか確かめます。
- 中身を見比べる診療時間、お知らせ、問い合わせフォーム、予約のボタンなど、大切な場所が正しく表示されるかを、院内の方が自分の目で確かめます。
- かかった時間と気づきを記録する復元にどのくらい時間がかかったか、不足していたものは何かをメモに残し、次の手当てにつなげます。
ポイント
練習の際に、本物の患者さんの情報(予約や問い合わせの内容)が含まれていないか、取り扱いを制作会社に確認してください。テスト用の場所へコピーする時の個人情報の扱いは、あらかじめ決めておくと安心です。
練習の結果、見つかりやすい課題と対処
練習をすると、平時には気づけなかった課題が見つかります。見つかること自体が成果ですので、悪いことではありません。戻せるかどうか不安な場合は、無料セカンドオピニオンで専門家に相談することもできます。
| 見つかった課題 | 対処の方向 |
|---|---|
| 保管場所が1か所しかなかった | 別の場所にも保管するよう依頼する |
| 最新の日付まで戻せなかった | 取る頻度を見直してもらう(更新が多いほど細かく) |
| 戻すのに想定より時間がかかった | 診療に影響が出る場合の代替案(電話・SNSでの案内)を用意する |
| 担当者が一人だけだった | 連絡先と代理の人を決めてもらう |
| フォームや予約の設定が戻らなかった | 復元の対象に含まれるか確認し、個別に控えを取る |
どのくらいの頻度で取るかは、更新の多さで考えます。お知らせを頻繁に出す医院は細かく、ほとんど更新しない医院は少なめでも構いません。更新のたびに「今日は更新した」と記録しておけば、更新履歴から、どの日付に戻すべきかも選びやすくなります。
あなたのクリニックのホームページは大丈夫?
アドレスを入れるだけで、ニュースになった弱点に当てはまりそうか・鍵マークは大丈夫かなどを約10秒で自動診断します。
戻す時の考え方:どの日付に戻すかを先に決める
実際に表示が崩れた時は、どの日付のバックアップに戻すかの判断が必要になります。古い日付に戻すほど安全に思えますが、そのぶん、あとから行った更新が消えてしまいます。
| 状況 | 戻す日付の考え方 |
|---|---|
| 最近の更新の直後から、表示が崩れた | 更新の直前の日付に戻す。更新の記録が手がかりになる |
| いつから崩れたのか分からない | 正常だった最後の日を、患者さんの声や記録から探す |
| 覚えのない書き換えが見つかった | 不審な変更の前の日付に戻し、原因の確認も依頼する |
戻したあとは、戻した日付より後に行った更新(診療時間の変更やお知らせなど)を、もう一度反映する必要があります。更新の記録があれば、やり直す作業を漏れなく進められます。不審な変更が原因の場合の対応は、ホームページが改ざんされた時の対処も合わせてご覧ください。
もしもの時に慌てないために:院内の備え
戻す作業は専門の方に任せるとしても、院内でできる備えがあります。表示が崩れた時や、ホームページが見られない時に、患者さんへどう案内するかを決めておくと、混乱が少なくなります。
- 連絡先の一覧:制作会社・保守会社・サーバーの窓口を、一枚の紙にまとめる
- 電話での案内文:受付が使う、ホームページが見られない時の一言を用意する
- 院内の判断者:誰が「戻す」と決めるのかを、決めておく
- 練習の日付:年に1回など、決まった時期に練習を行う予定を入れる
ホームページが急に見られなくなった時の確認の順番は、ホームページが表示されない原因と確認順にまとめています。
HPドクターでは、今の制作会社との契約はそのままで、ホームページの状態を確認する無料のセカンドオピニオンを行っています。バックアップの状況や、戻せる体制になっているかを知りたい場合は、ご相談ください。
ホームページにも、セカンドオピニオンを
今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。
無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
バックアップは、どのくらいの頻度で取るのがよいですか?
更新の多さによります。お知らせを頻繁に出すなら細かく、ほとんど更新しないなら少なめでも構いません。何日分を保管するかとあわせて、保守の担当者と決めてください。
戻す練習は、本番のホームページに影響しませんか?
本番とは別の場所で試せば、影響はありません。依頼する時に「本番には触らずに確認したい」と伝えてください。
レンタルサーバーの自動バックアップがあれば十分ですか?
便利な機能ですが、保管期間や、戻せる範囲に決まりがあることが多いです。契約しているサービスの内容を確認し、足りない場合は別の保管方法を相談してください。
練習の費用は、別にかかりますか?
契約によって異なります。保守の範囲に含まれるのか、追加の費用が要るのかを、依頼する前に確認してください。
自分で復元の作業をしてみてもよいですか?
誤った操作で、今の内容が消えてしまうことがあります。管理画面で復元できる機能があっても、まず制作会社や保守会社に確認してから行うことをおすすめします。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


