医療機関のルール
クリニックのホームページの著作権:写真・文章・デザインの扱い
ホームページの写真や文章は、誰のものなのでしょうか。制作会社にお願いして作ってもらったデザインを、他の場所で使ってよいのか。別のサイトの文章を参考に書いてしまっていないか。気になりながらも、確認しないままになっている院長は少なくありません。この記事では、ホームページの著作権について、一般的な考え方と、クリニックが確認しておきたい点を整理します。法律の細かな判断は、専門家(弁護士など)にご確認ください。
そもそも著作権とは:ホームページのどこに関係するか
著作権は、文章・写真・イラスト・デザインなどの「創作したもの」を守るための権利です。ホームページの多くの部分が、これに関わります。
| ホームページの要素 | 著作権が関わる例 |
|---|---|
| 文章 | 診療内容の説明、院長あいさつ、コラム |
| 写真 | 院内・外観、スタッフ、院長の写真 |
| イラスト・アイコン | キャラクター、図解、ロゴ |
| デザイン・レイアウト | ページの構成、配色、全体の見た目 |
| プログラム | 動きの部分(制作会社が作った仕組みなど) |
ここで大切なのは、「お金を払って作ってもらったから、すべて自分のもの」とは限らないということです。権利の扱いは、契約の取り決めで決まるのが一般的です。
制作会社に頼んだ場合:確認したい3つのこと
制作会社に作ってもらったホームページについて、次の3点を契約書や見積書で確認します。
- 権利が誰にあるか:写真・文章・デザインの権利が、医院に渡るのか、制作会社に残るのか
- 引き継いで使えるか:他の会社に保守や改修を頼んでよいか。仕組み(プログラム)の使用に条件があるか
- 制作会社の実績としての掲載:制作会社が自社の実績として、ホームページの画面を載せてよいか
取り決めが書かれていない場合もあります。その場合でも、すぐに問題になるとは限りませんが、制作会社の変更を考える時に困ることがあります。進め方は制作会社を変えたい時の進め方や、保守契約書で確認したい項目をご覧ください。
あなたのクリニックのホームページは大丈夫?
アドレスを入れるだけで、ニュースになった弱点に当てはまりそうか・鍵マークは大丈夫かなどを約10秒で自動診断します。
写真・イラスト・文章を使う時の注意
ホームページに載せる素材を、どこから用意したかによって、確認することが変わります。
| 素材の出どころ | 確認すること |
|---|---|
| 院内で撮影した写真 | 撮影した人、写り込んだ人(患者さん・スタッフ)の同意 |
| カメラマンに依頼した写真 | 利用範囲・期間・加工の可否を書面で確認 |
| 素材サイトの写真・イラスト | 利用規約(商用利用、医療機関での利用、加工の可否、表記の要否) |
| 他のサイトの文章・画像 | 原則、無断で転載しない。引用する場合も、出典と範囲に配慮する |
| 業者・メーカーから提供された資料 | 掲載してよい範囲を確認する |
素材サイトを使う場合は、利用規約をよく読むことが大切です。無料のものでも、条件がついていることがあります。素材の選び方は、今後の記事でも扱いますが、まずは「出どころと条件を記録しておく」ことから始めてください。
写り込みにも注意
院内の写真に患者さんが写り込んでいないか、書類や画面が読み取れる状態で写っていないか、掲載前に確認してください。スタッフの写真は、本人の同意を得ることが大切です。院長の写真の扱いは院長の写真・プロフィールの注意点も参考になります。
文章を書く時の注意:「参考にする」と「写す」は別です
診療内容の説明は、同じ病気や治療を扱う以上、似た表現になりやすいものです。ただ、他のクリニックや病院のサイトの文章を、そのまま、または少し言い換えただけで使うことは避けてください。
- 自分の言葉で、自院の診療方針や流れを書く
- 参考にした資料は、出典を記録しておく
- 学会や公的機関の情報を紹介する時は、出典を明記する
- 制作会社が用意した文章は、他と重複していないか確認を頼む
また、医療に関する表現は、広告のルールにも関わります。厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿って考え、迷う表現は所管の保健所等にご確認ください。詳しくは医療広告ガイドラインとホームページをご覧ください。
よく伺うお話:こんな時はどうする?
著作権まわりで、クリニックからよく伺うお話を、一般的な考え方で整理します。個別の判断は、専門家にご確認ください。
| 場面 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 昔の制作会社が作った写真を使い続けている | 利用の取り決めを確認し、不明なら制作会社や専門家に確認する |
| ネットで見つけた画像を載せたい | 出どころと利用条件が分からない画像は使わない |
| メーカー提供のパンフレットの画像を載せたい | メーカーに掲載の可否と範囲を確認する |
| スタッフが撮った写真を使いたい | 撮影者と写っている人の同意を確認し、記録する |
| 退職したスタッフの写真が載ったまま | 本人の意向を確認し、必要なら差し替える |
どの場面にも共通するのは、「出どころが分かる」「条件を確認した」「記録がある」の3つがそろっていれば、後から慌てにくいということです。迷った時は、使う前に立ち止まり、確認できるまで載せない、という判断も大切です。
ホームページを引き継ぐ時にも関係します
制作会社を変える時や、承継開業でホームページを引き継ぐ時には、素材の権利の扱いが問題になることがあります。前の持ち主や制作会社が使っていた素材を、そのまま使い続けてよいかの確認が必要です。
- 引き継ぐ前に、使われている写真・文章の出どころを聞く
- 出どころが不明な素材は、差し替えを検討する(差し替えの時期は、診療に影響しない時期を選ぶ)
- 引き継いだ後の素材の一覧表を、新たに作る
- 前の制作会社との取り決めがあれば、書面を受け取る
承継の場面での確認は、承継開業でホームページを引き継ぐ時のチェックリストにまとめています。あわせてご覧ください。
記録を残して、いざという時に備える
素材の出どころや条件を記録しておくと、「この写真、どこで手に入れたのだったか」と困ることが減ります。簡単な一覧表で十分です。
- 素材の一覧表を作る写真・イラスト・文章ごとに、使っている場所を記録します。
- 出どころを書く撮影者、素材サイト名、利用規約を確認した日を書きます。
- 条件を書く利用の範囲、期限、表記の要否を書きます。
- 更新のたびに追加する新しい素材を使ったら、その場で記録します(更新履歴と一緒に管理すると便利です)。
もし、ホームページの素材について「出どころが分からない」「制作会社との取り決めが不明」という場合は、まず現状の整理から始めます。HPドクターの無料セカンドオピニオンでは、ホームページの状態と契約まわりの整理を、専門家と一緒に確認できます。法律にかかわる判断は、弁護士などの専門家にご確認ください。ご自身のサイトの状態が気になる方は、無料セカンドオピニオンもご利用ください。
ホームページにも、セカンドオピニオンを
今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。
無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
制作会社に作ってもらったホームページの権利は、医院のものですか?
契約の取り決めによって異なります。納品物の権利が医院に移るのか、制作会社に残るのかは、契約書や見積書でご確認ください。不明な場合は、制作会社に確認し、専門家にもご相談ください。
他のクリニックのホームページを参考にしてもよいですか?
構成や考え方を参考にすること自体と、文章や写真をそのまま使うことは別です。文章や画像を写すことは避け、自院の言葉で書いてください。
無料の素材サイトの写真は、自由に使えますか?
サイトごとに利用規約があり、条件がつくことがあります。商用利用や医療機関での利用の可否、加工や表記の要否を、使う前に確認してください。
スタッフの写真を載せる時、どうすればよいですか?
掲載の目的と範囲を伝えたうえで、本人の同意を得てください。退職した場合の扱いも、あらかじめ決めておくと安心です。
著作権のことで相談できますか?
法律にかかわる判断は、弁護士などの専門家にご確認ください。HPドクターでは、ホームページの状態や契約まわりの整理について、無料のセカンドオピニオンで承っています。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


