保守の頼み方・選び方
保守会社に任せる範囲と、院内で持っておく範囲の分け方:クリニックの役割分担
「ホームページは、保守会社にお任せしているから大丈夫」。そうお考えの院長は多いと思います。ただ、すべてを任せているつもりでも、内容の確認や契約の名義、緊急時の連絡先などは、医院にしか持てない役割です。任せる範囲と院内で持つ範囲があいまいだと、トラブルの時に「誰がやるのか」で時間を失います。この記事では、保守の役割分担の考え方を、表と手順でまとめます。
「全部お任せ」にしても、院内に残る役割がある
ホームページの保守とは、更新プログラムの適用、バックアップ、不具合の対応など、安全に表示し続けるための作業のことです。こうした技術的な作業は、専門の保守会社に任せるのが現実的です。
一方で、次のようなことは、外部の会社では判断できません。
- 診療時間・休診日・担当医など、載せている内容が今の医院の事実と合っているか
- 契約や登録の名義が、医院になっているか
- 管理画面にログインできる人の把握と、職員が代わった時の整理
- 表示が止まった時の、患者さんへの案内の判断
保守を依頼すること自体は、安心につながります。そのうえで「自分たちが持つ範囲」を決めておくことで、任せた安心が本物になります。保守の必要性や、自分でできる範囲の全体像は、ホームページの保守は必要か?でも整理しています。
任せる範囲と、院内で持つ範囲の分け方
目安として、次のように分けて考えると整理しやすくなります。実際の分担は、契約の内容に合わせて調整してください。
| 作業・役割 | 主な担当 | 理由 |
|---|---|---|
| 更新プログラムの適用、サーバーやPHPの更新 | 保守会社 | 専門の知識と、事前のバックアップが要る |
| バックアップの取得と保管 | 保守会社 | 定期的に確実に行う必要がある |
| 不具合の調査と復旧 | 保守会社 | 原因の特定に技術が要る |
| 診療時間・お知らせの内容の確認 | 院内 | 現場の事実は医院しか分からない |
| 管理画面のIDの把握と整理 | 院内 | 職員の入れ替わりを知っているのは医院 |
| 契約の名義・更新日の把握 | 院内 | 契約者は医院であるべき |
| 緊急時の連絡先の保管 | 院内 | 制作会社に連絡できない時にも使える |
役割を決める手順
分担は、一度決めて終わりではなく、契約の更新や担当の交代のたびに見直すものです。次の手順で、書面にしておくと安心です。
- 今の保守の内容を確認する契約書や料金表で、保守会社が何をしてくれるのかを確認します。保守契約書の確認項目が参考になります。
- 院内で持つ役割を書き出す内容の確認、IDの管理、契約の管理、緊急時の連絡など、院内で持つ役割を書き出します。
- 担当者を決める役割ごとに、院内の担当者を一人ずつ決めます。院長だけに集中させず、事務長などと分担します。
- 代理の人も決める担当者が不在の時の代理を決めます。退職や異動にも備えられます。
- 一枚の紙にまとめる分担表を一枚にまとめ、制作会社にも共有します。年に一度見直す日も決めておきます。
ポイント
分担表には、パスワードそのものは書かないでください。「誰が管理しているか」と「どこに保管しているか」だけを書き、パスワードは決まった場所で別に管理します。考え方はパスワード管理にあります。
任せすぎで起きやすい困りごとと、その防ぎ方
丸投げの状態が続くと、次のような困りごとが起きやすくなります。早めに気づけるよう、症状と対処を並べました。分担に迷う場合は、無料の自動診断で今のサイトの状態を確かめてから決めると進めやすくなります。
| 困りごと | 起きる理由 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| どの作業をしてもらっているのか分からない | 報告がなく、内容を知る機会がない | 月次の報告を求める。報告に載せたい項目を参照 |
| 担当者が代わって連絡がつかない | 窓口が個人に固定されている | 窓口の連絡先を会社の代表として複数もらう |
| 乗り換えたくても、データが出てこない | 名義や管理が制作会社になっている | 契約と名義を、医院で確認しておく |
| 古い情報が載ったままになる | 内容の確認を誰もしていない | 院内で、月に一度の内容確認をする |
どれも、悪意のあるものではなく、役割が決まっていないことで起きます。内容の確認は、お知らせや診療時間など数項目を見るだけでも効果があります。お知らせの点検も合わせて活用してください。
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場面別:困った時、最初に誰が動くか
分担を決めておく大きな利点は、困った時の動き出しが早くなることです。よくある場面ごとに、最初の動きをまとめました。
| 場面 | 最初に動く人 | 次にすること |
|---|---|---|
| 診療時間を変えることになった | 院内の内容の担当 | 変更の内容と日付を、保守会社に文面で依頼する |
| ホームページが表示されない | 院内の連絡の担当 | 保守会社の緊急の連絡先に電話し、受付に案内の言葉を伝える |
| 覚えのない書き換えを見つけた | 院内の担当と院長 | 触らずに画面を控え、保守会社へ連絡する |
| 職員が退職する | 院内のIDの担当 | IDの整理を行い、保守会社にも担当交代を伝える |
| 契約の更新の案内が届いた | 契約の担当 | 内容と金額を確認し、院長に報告する |
表示が止まった時の確認の順番はホームページが表示されない原因と確認順に、改ざんが疑われる場合の最初の動きはホームページが改ざんされた時の対処にまとめています。分担表と合わせて、緊急時の連絡先を一枚の紙にしておくと、受付の方も動きやすくなります。
契約書に書いておきたい、分担にかかわる文言
口頭で決めた分担は、担当が代わると消えてしまいます。契約書や、やり取りの文面に、次のような点を残しておくと確実です。
- 保守会社が行う作業の一覧(更新、バックアップ、点検など)と、その頻度
- 作業の報告の方法と、報告の頻度
- 緊急時の連絡先と、受付の時間帯
- 契約の名義(ドメイン・サーバーなど)が誰になっているか
- 契約を終える時の、データの引き渡しの方法
まだ書かれていない項目があれば、更新のタイミングで追記を相談してください。文面の確認に迷う場合は、専門家にも確認すると安心です。
分担を見直したほうがよいサイン
次のような状況になったら、分担を一度見直すタイミングです。
- 保守会社や制作会社の担当者が代わった
- 医院の職員が入れ替わり、ホームページの担当が不明になった
- 診療科や診療時間、医院の体制が変わった
- 契約の更新時期が近づいている
- 表示や連絡のトラブルが、続けて起きた
見直しは、大げさな会議である必要はありません。分担表を机に広げ、「今も実態に合っているか」を5分ほどで確かめるだけでも、ずれに気づけます。
見直しの際は、保守会社に「今の分担はこうなっているが、実態に合っているか」を確認してください。変更を相談しにくい場合や、そもそも契約の内容が分からない場合は、外部の目で確認する方法もあります。
HPドクターでは、今の制作会社との契約はそのままで、ホームページの状態を確認する無料のセカンドオピニオンを行っています。分担の整理や、契約の読み解きに迷う場合は、ご相談ください。
ホームページにも、セカンドオピニオンを
今の制作会社との契約はそのままで、専門家が無料で詳しく確認し、「誰が何を直せばよいか」を制作会社にそのまま渡せる形でお送りします。
無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
院内で持つ役割は、どのくらい負担になりますか?
多くの場合、月に数十分程度です。内容の確認、ID一覧の見直し、契約の更新日の確認など、見るだけの作業が中心です。
保守会社に「全部やってほしい」と頼むことはできますか?
技術的な作業は任せられますが、内容の確認や名義の管理は、医院にしかできません。契約の内容を確認し、必要な範囲を相談してください。
院内に詳しい人がいません。
ITの知識は要りません。診療時間や住所が正しいか、IDを持つ人の名前が分かるか、といった「確認」が中心です。分からない点は、保守会社に聞いて大丈夫です。
分担表は、誰に共有しておくべきですか?
院長、事務長、保守会社や制作会社の担当者です。更新のたびに、日付を入れて渡してください。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


