更新・保守
診療案内ページを患者さん目線で読み直す手順|クリニック向け
診療案内のページは、開業した時に書いたまま、何年も手を入れていない。そんな医院は少なくありません。ところが患者さんにとっては、受診する前にいちばん読まれやすいページのひとつです。院内の人間には当たり前の言葉も、初めて来る方には分かりにくいことがあります。この記事では、診療案内ページを「患者さんの立場」で読み直す手順を、院内でできる範囲に絞ってご紹介します。
診療案内ページは、なぜ読み直す価値があるのか
診療案内のページには、「何科で、どんな症状を診てもらえるのか」「どのような検査や治療ができるのか」が書かれています。患者さんは、受診する前にこのページを見て、「この医院に行ってよいか」を判断します。
ところが、診療内容は少しずつ変わります。新しい機器を入れた、診る範囲を広げた、逆に取りやめた。そうした変化がページに反映されないまま、書いてある内容と実際の診療がずれてしまうことがあります。ずれた情報は、患者さんの来院先の選択だけでなく、電話での問い合わせの増加にもつながります。
また、ページを書いた当時の文章は、院内の専門的な言い回しが多くなりがちです。読み手の多くは医療の専門家ではありません。院内の言葉から、患者さんの言葉に直すことが、見直しの中心になります。
読み直しは、「直す」ためだけの作業ではありません。自院のページを患者さんの立場で通して読むことで、普段は気づかない発見があります。たとえば、トップページから診療案内にたどり着くまでに何回押す必要があるのか、診療内容の説明が長すぎて肝心の診療時間が下の方に埋もれていないか、といった点です。こうした気づきは、文章を直さなくても、ボタンの位置や見出しの付け方を変えるだけで改善できることもあります。
もうひとつ、よくあるのが「診療案内が複数のページに分かれ、それぞれ更新時期が違う」という状態です。診療科ごと、検査ごと、自費診療ごとにページがあると、ひとつだけ古くなりやすくなります。まず全体の地図を作ってから、ページごとに直す順番を決めると、抜けが減ります。
ポイント
広告にあたる表現の可否は、厚生労働省の医療広告ガイドラインにも関わります。見直しで表現を変える時は、医療広告ガイドラインとホームページも参考に、迷う点は所管の保健所等にご確認ください。
読み直しの4つの観点
いきなり文章を直し始めると、手が止まります。まず、次の4つの観点で「気づいた点を書き出すだけ」にします。直すのは、その後です。
| 観点 | 見るところ | よくあるずれ |
|---|---|---|
| 言葉 | 専門用語・略語・院内だけの呼び方 | 「当院では○○を施行」など、説明がない言い回し |
| 探しやすさ | 症状や悩みから目的のページに行けるか | 診療科の名前でしか探せない |
| 実用情報 | 診療時間・予約方法・持ち物へのリンク | 別のページに散らばり、探し回る |
| スマホ表示 | 文字の大きさ・表の崩れ・ボタンの押しやすさ | パソコンでは整っても、スマホで横にはみ出す |
特に4つ目は、スマホで見る患者さんが多い現在、軽く見ない方がよい点です。表示の確認はスマホで見づらいホームページの確認ポイントで詳しく触れています。
院内でできる読み直しの手順
専門の知識は要りません。次の順に進めると、半日ほどで一巡できます。
- ページの一覧を作る診療案内にあたるページを全部書き出します。トップから辿れないページも含めます。
- 患者さん役を決めて読む事務の方や、医療の専門でない職員に、初めて来る人のつもりで読んでもらいます。分からない言葉に印を付けます。
- 実際の診療と見比べる今できる診療・検査と、書いてある内容を見比べます。やっていないこと、書いていないことを洗い出します。
- 直す順番を決める間違い(実際と違う)、分かりにくい(言葉・並び)、見た目(スマホ)の順に優先をつけます。
- 直す人と期限を決める自分で直せるか、制作会社に頼むかを分けて、期限を書いておきます。
- 直したら、スマホで確かめる公開後、スマホとパソコンの両方で表示を確認し、更新の内容を記録に残します。
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制作会社への頼み方は制作会社に修正を頼む時の伝え方に、記録の残し方は更新履歴を残す理由と方法にまとめています。
作業の時間が取りにくい場合は、すべてのページを一度に見る必要はありません。まず、アクセスの多いページ(トップページに近いもの)から始め、残りは月に1ページずつ進める方法もあります。「今月は○○のページ」と決めておけば、診療の合間でも続けられます。
読んでもらう人には、感想ではなく「分からなかった言葉」「探して見つからなかった情報」「押しにくかった場所」の3つだけを書き出してもらうと、直す内容がはっきりします。院長ご自身が読むよりも、第三者の目の方が、違和感に気づきやすいことが多いものです。
見直しの時に気をつけたい表現
診療案内の文章は、分かりやすさを求めるあまり、言い切りが強くなる場合があります。次のような点を、読み直しのついでに見てください。
- 治る・効く、といった断定:効果を保証するように読める書き方になっていないか
- 他院との比較:優位性を示す書き方になっていないか
- 実際にやっていない診療:以前の記載が残っていないか
- 費用の書き方:保険診療と自費診療の区別が、読み手に分かるか
表現の可否は、厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿って考えます。迷う場合は、所管の保健所等にご確認ください。院内だけで判断せず、確認の記録を残しておくと、次の見直しの時に助かります。
気をつけたい点
古い文章を直す時は、元の文章を残してから修正してください。元に戻せなくなると、直した後で不具合が出た時に困ります。保存場所はバックアップの取り方も参考にしてください。
なお、診療内容の説明に画像を添える場合は、著作権や肖像の扱いにも気を配る必要があります。素材の選び方は写真・イラスト素材の選び方に、著作権の考え方は著作権と写真・文章の扱いにまとめています。
見直しを続けるために:頻度と役割分担
一度に完璧を目指すと、続きません。年に1〜2回、「診療案内の読み直し」を点検の予定に入れておく程度で十分です。年間の点検カレンダーに組み込むと、忘れにくくなります。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 診療内容が変わった時 | 変更したページを、すぐに直す。直す箇所は一覧にして洗い出す |
| 年に1〜2回 | 今回の4つの観点で、ページ全体を読み直す |
| 問い合わせが増えた時 | 電話で多い質問を、ページに書き足す |
また、読み直しと修正を院内だけで抱えると、負担が大きくなります。「見直しは院内、修正作業は制作会社や保守会社」という分担も、現実的です。分け方の考え方は保守会社に任せる範囲と院内で持つ範囲をご覧ください。
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無料でセカンドオピニオンを受けるよくあるご質問
診療案内ページは、どのくらいの頻度で見直せばよいですか?
診療内容が変わった時に、その都度直すのが基本です。加えて、年に1〜2回、全体を通して読み直す機会を作ると、小さなずれに気づきやすくなります。
専門用語を全部やさしい言葉にしなければいけませんか?
全部を置き換える必要はありません。患者さんが検索や受診で使う言葉を先に出し、専門用語は括弧書きで添える形にすると、正確さと分かりやすさを両立しやすくなります。
どんな人に読んでもらうのがよいですか?
医療の専門ではない事務の方や、家族の方が向いています。分からない言葉に印を付けてもらうだけでも、手がかりになります。
自分で文章を直しても大丈夫ですか?
管理画面の使い方に慣れていれば可能です。ただし、直す前の控えを残し、直した後はスマホとパソコンで表示を確認してください。不安がある場合は制作会社や保守会社に相談しましょう。
この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。


